再発したむし歯を治療することほど、切ないことはありません
「むし歯になる理由」のページでご説明したように、いくらしっかりむし歯の治療をしたとしても、患者さんのケアの方法が変わらず、口内環境が改善しなければ、むし歯は再発してしまいます。自分が一度治療した歯を再び治療することほど歯科医師が治療の限界を感じてしまうからです。
当院がむし歯の予防に力を入れている理由は、患者さんが嫌な思いをしないことはもちろんですが歯科医師としても無力感を味わいたくないというのが正直な気持ちなのです。
かけがえのない資産である歯を守りたい
歯はかけがえのない資産です。歯がなくなった場合には、入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つの治療方法がありますが、これらの治療を行っても、天然の歯には勝てません。
インプラントは、入れ歯やブリッジに比べて周囲の歯に負担をかけず、しっかりと噛める良い治療ですが、それでも歯の方が優れています。歯の根を覆う歯根膜(しこんまく)という組織は、歯を守るクッションの働きがあります。インプラントにはこの歯根膜がないため、インプラントと歯がぶつかったときの衝撃が天然の歯と歯に比べて大きく、噛み合わせの変化に細心の注意を払わないといけないのです。できる限り、天然の歯を守っていくようにしましょう。
当院におけるメンテナンスの特徴
当院では、新時代のむし歯予防システム「キャンブラ」を使って患者さんのセルフケア力を向上させるとともに、定期的なメンテナンスを勧めています。定期的にメンテナンスを行うことで、むし歯の予防効果がさらに高まります。
同じ歯科衛生士が担当し、密にコミュニケーションを図ります
当院にはメンテナンスを担当する歯科衛生士が7人在籍しており、それぞれの患者さんに同じ歯科衛生士が担当するようにしています。
「衛生士さんに会うのが楽しみ」といった声も聞かれています
こうした担当制を敷くことで、患者さんの口内の様子をくわしく知っている歯科衛生士が毎回ケアに当たることができるので、ミスが防げるとともに、患者さんとの信頼関係も深まっていきます。
院長は歯科衛生士に「とにかく患者さんとよく話しましょう」と伝えています。ケアのことを熱心に伝えたり、趣味の話に花を咲かせたりと、コミュニケーションの図り方は歯科衛生士によって異なりますが、コミュニケーションをたくさん取ることに変わりはありません。
患者さんの中には、「歯科衛生士さんに会うのがいつも楽しみ」と笑顔で話される方もいらっしゃいます。信頼関係を築くことで、ケアや通院へのモチベーションも高く持つことができます。
充実したカウンセリングでむし歯の原因を追究します
当院では、むし歯の原因を追求するためカウンセリングに力を入れています。歯磨きの方法や食習慣のほか、歯磨きをするタイミング、就寝時間、寝る前に食べていないかなど、細かくお聞きします。もちろん、患者さんの中にはプライベートなことをあまり聞かれたくない方もいらっしゃいますから、患者さんの気持ちを踏まえてお聞きするようにしています。
ただ、細かいことをお聞きするのは、あくまでも患者さんの歯を守りたい気持ちがあってのことだとご理解いただければ幸いです。
メンテナンスメニュー
カウンセリング
「当院におけるメンテナンスの特徴」をご参照ください。
口腔内チェック・レントゲン撮影
レントゲンを撮影し、むし歯が再発していないかどうかを確認します。噛み合わせが悪い部分には磨き残しができやすいため、噛み合わせの変化もチェックします。
ブラッシング、食習慣、オーラスケアグッズに関するアドバイス
キャンブラを使用して、患者さんに合った効率の良いむし歯予防の方法をアドバイスします。
歯垢や歯石の除去(スケーリング、ルートプレーニング)
専用の器具を使って、歯垢や歯石を取り除きます。歯垢はブラッシングでも取り除けますが、時間の経過により歯垢が固くなった状態の歯石は歯科医院でスケーリングやルートプレーニングを行わなければ取り除けません。
歯の汚れやバイオフィルムの除去(PMTC)
バイオフィルムとは、口の中の細菌が集まった薄い膜のことで、歯の表面に付着します。「ブラッシングでは取り除けない歯垢」だと思えばわかりやすいでしょう。バイオフィルムはむし歯の原因になるため、歯科医院での専門的な治療「PMTC」を受けることで予防の効果が高まります。
フッ素塗布
フッ素とは、ミュータンス菌の働きを弱め、歯にカルシウムを吸収しやすくさせて丈夫にする化学物質です。むし歯になる原因として歯の質が大きく関わっている方は、定期的にフッ素を塗布することで予防を図ることができます。
シーラント
シーラントとは、歯ブラシが届きにくい歯の溝の部分にプラスチック樹脂を埋め込み、表面を滑らかにする治療です。乳歯や生え立ての永久歯があるお子さんのむし歯予防方法として有効です。